こんにちは、「すべての美容室にウェブマーケティングを!」三上です。
2020年1月27日、Business Journalのウェブメディアより「美容室業界、格安予約サイト&格安店登場以後で常識激変…“格安でも良質”店増加の背景」という記事が公開されました。いくつか気になるポイントをピックアップしつつ内容について考察します。
目次
リアルな口コミよりも自分で判断する時代になった
「昨今はお客様がスタイリストを指名せず、低価格なメニューをオーダーする流れになっています。格安で予約ができるクーポンサイトやアプリはモバイル世代の20〜30代にフォーカスし、いつでも予約ができコスパ重視の客層を掴んで一気に人気になりました。しかし美容師にとってはメリットやデメリットもあります。
(後略・太字は当記事注釈)
インターネット登場前は、美容室も飲食店も他の店舗ビジネスも「まずはお店に行ってみないとわからない」というのが一般的な考え方でした。
友人知人からオススメされたので行ってみるというリアルな口コミの時代です。
自分の行動範囲から外れたお店の情報は入ってこない時代でもありました。
インターネットの登場後、美容室で言うとホットペッパービューティーを始めとしたメディアやアプリの登場により、実際にお店に行かなくてもどんなお店なのかを知ることが出来るようになりました。
リアルな口コミの時代との違いは、自分で情報を取得して自分で判断できる時代になったのだと考えられます。
心理学的に自分で決められるということは幸福度が高いと言われています。これがクーポンサイトが流行った理由だと考えています。
なぜスタイリスト指名ではなく、メニューをオーダーするようになったのか?
その中で「低価格なメニューをオーダーする流れ」になったのはなぜでしょうか?
対象を美容室に限らず、消費者側に立って「低価格なメニューをオーダーする」のはどういう状況でしょうか?
例えばホテルの場合、良い部屋は高いし低価格なホテルはソコソコでしょうから、ただ泊まるだけなら低価格のホテルを選ぶし、特別な日だったら高くても良い部屋に泊まったりと使い分けますよね。
別の例で引越しで家を借りる場合、不動産賃貸では「仲介手数料1ヶ月分」支払うのが一般的です。しかし昨今では「仲介手数料なし」なんていうのも見かけることがあります。
同じ家に引っ越すなら仲介手数料は安い方がいいに決まってます。結局、受け取る商品(賃貸の家)は同じだからです。
これらは極端な例ではありますが、商品が同じなら安い方が良いというのが当たり前の考え方です。
美容室に話を戻すとずばり、スタイリスト毎に何が違うのかわからないから同じなら安い方が良い、というのがユーザー(お客様側)の気持ちではないでしょうか。
「違いがない」のではなく、あくまでも「伝わっていない」と言うのが課題です。
「格安で予約ができるクーポンサイトやアプリ」のメリットとデメリット
(前略)
美容師たちはある種、技術一辺倒で育ってきたがゆえに、PC操作や数字の計算に非常に弱い一面があり、そこをうまくフォローするシステムがあるというのがメリット。ホームページやSNSを開設しなくてもWEBから集客ができ、売上を打ち込めば顧客管理データなどを一括で処理してくれるといった機能が、美容師たちから重宝されています。
しかし、予約サイトはリピート率の低さというデメリットも抱えています。美容業界の通説として、予約サイト利用者のリピート率は10%ほどといわれています。予約サイトはいわば比較サイトであり、料金や利便生を簡単に比較できるため、他に安いところがあれば、前回と同じ美容師でなくてもいい、とコスパ重視の客層が集まることが、そうした原因の一つです」
(太字は当記事注釈)
旧来のようなモデルハントやチラシ配りをせずとも、お金を払って集客できるというシステムは偉大です。
これらがホットペッパービューティーやミニモなどのメディア・アプリが流行り重宝されている理由でもあります。
逆に言うと、集客や顧客管理データをこれらのサービスに任せている限りは「低価格なメニューをオーダーする」流れに乗り、市場のニーズに合わせた価格設定にする必要があります。
本来ビジネスとしては高価格で売りたいところですが、前述の時代の流れを踏まえると低価格化は必然であり、高単価でクーポンを出している美容室は採算が合わずクーポン媒体から撤退しています。
努力して違う集客方法を作り出すか、この環境に居続けるかは重要な経営判断だと私は考えています。
目指す美容室像次第でやるべきコトが変わる
極端な話ですが「高単価の美容室」もしくは「低価格の美容室」のどちらかを目指す必要があると考えています。
低価格の美容室を目指す場合は、自ずと店舗展開が必要不可欠です。1店舗あたりの利益が下がるためです。
低価格勝負の場合、他店も低価格で勝負してくることは必至なので、1店舗あたりの利益は際限なく下がっていきます。美容室業界の場合、もっと低価格競争は進むと考えられます。
先日、ファストファッションの「フォーエバー21」が倒産して撤退しました。原因は様々あると思いますが、低価格であれば常に爆買い状況を作り出さなければいけません。「服を大事しよう」などとは言ってられず、どんどん新しい商品を買ってもらう必要があります。
美容室なら予約は隙間なく詰め込み、出来る限り掛け持ちして、コストも常に下げる努力が必要です。
ちょっと値上げしようものなら、他の美容室に流れてしまうからです。
高単価の美容室を目指す場合は、技術とサービスを圧倒的に磨く必要があります。付加価値でお店(スタイリスト)を選んでもらうためです。
飛行機でもエコノミークラスはどの航空会社も対してサービスは変わりませんが、ビジネスクラスになると各社サービスが変わってきます。
「退屈で窮屈な移動時間を快適に過ごしたい」人たちは高いお金を払ってビジネスクラス・ファーストクラスに乗ります。
その人たちが満足するサービスを考えて実施していくことは大変な経営努力です。
時代の波にどう乗っていくか
結局は、今の時代という波にどう乗っていくかが重要じゃないかと思います。
一般消費者としては「よりいい物をより安く」というのは当たり前の考え方です。ベースは同じでも、その中にもそれぞれこだわりを持っています。
- 添加物は少ない方が良い
- 塩分少なめ
- ビーガン
- オーガニックを意識している
- 健康的な食品を選ぶようにしている
- 運動は健康の源泉だ
などなど、いろんなこだわりを持っている人たちがいます。
安さで勝負するもよし、これらのこだわりを持ったユーザーをターゲットに高付加価値のサービスを提供して高単価のお店を目指すのもアリだと思います。
- どんなこだわりを持っている人をターゲットとするのか
- ターゲットに何を伝えるのか
- ターゲットにどうやって情報を届けるのか
- ターゲットにどうやって喜んでもらうのか
この順番で考えていくことで、差別化のできた強い美容室になっていくと考えています。
マーケティングと共に、時代の波に乗る強いサロンを作っていきたい!という思いをお持ちのサロンオーナー様、心よりご連絡お待ちしています!
(ビーガン専門の美容室とかすごい人気出ると思うんだけどなぁ。)